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イッタイゼンタイ、かって誰が予想しただろうか?市川箟監督と石坂浩二の金田一耕助による「犬神家の一族」30年目のリメイク。そして角川映画“ガメラ”! 結論から述べれば、ファンタジー映画としてカナリの成功を収めていると思う。日常世界の外側からやってきた異分子=トトと主人公達の交流、そして別れ。「ウルトラQ」シリーズのなかでも異彩を放つ中川晴之助のファンタジー篇(「そだてよカメ」「カネゴンの繭」「鳥を見た」)をホウフツとさせる。小ガメ時代のトトがスケボーに興じる透少年(富岡 涼)の動きにシンクロして家の中を動きまわって“ET”のパクリか?と思わせておいて、目の前に落ちてきた包丁をギロンと見間違えて火炎攻撃させてシメ括る等、古くからのファンへの目配せもワルくない。 予告や映画誌上の写真からうける華のナさが気がかりだったライバル怪獣“ジーダス”も、初上陸時にみせた肉食動物の敏捷さと橋桁に肩が引っかかっているのに前に進もうとしてアガくような巨大生物の鈍重さのコントラストがオモシロくてポイントUP。“どんな観客でも直感的にわかることがある。(中略)昇る、飛ぶ、降りる、落ちる(中略)水平運動より垂直運動を描くほうが楽ですし、勝算が高いんですよ・・・。”竹熊健太郎の「竹熊漫談 マンガ原稿料はなぜ安いのか?」(イースト・プレス)に宮崎駿のこんな発言が紹介されているが、『映画秘宝』6月号の田崎竜太監督インタヴューはオソロシい程にそっくりなコトを言っているのにはビックリ!母親の不在、昭和のフンイキを残したロケーション、異生物との交感・・・サテは怪獣版“となりのトトロ”を狙ったカ?と、ここまでホメといて恐縮だが、怪獣映画としてのデキはという点から見るとマダマダだなァというのが正直なトコロ。少年の顔が面積の大半を占める宣材の扱いからしてパっと見“ガメラ”映画とワカラナイのではと印象をうける。なによりファンタジイを成立させる代償に怪獣映画としてのダイナミズムが大いにワリをくってしまっている。昭和のガメラ映画はまず敵怪獣の名前も決まらないうちに対戦回数が決まっていてソレから逆算してストーリーその他を錬っていったという逸話が残っている。その最強最後の見せ場がたった1度の火炎噴射でケリがついてしまっては困るのである。 糸井重里が司会を勤めたNHK教育のバラエティ番組「YOU」で怪獣を取り上げた回にゲスト出演した新井素子が“カイジュウさんがプロレスしてるだけかと思ってたら、ちゃんとオハナシがあったのでビックリした”などと、のたまっておったが、映画作品としてスクリーンやブラウン管に映し出される以上ドラマの呪縛からは逃れることはできない、それは怪獣映画とて例外ではない。メカゴジラの逆襲を退けたゴジラが長い冬眠期に入った70年代半ばあたりまで怪獣映画は識者からカクジツに“ドラマ不在の怪獣プロレス”のそしりを受けてきた。しかし、出来のよしあしのモンダイはさておき各々に、出現の予兆から都市破壊~自衛隊の攻撃~研究、発見からカタストロフィへとなだれこむ物語の流れが存在していた。徹頭徹尾、セリフもストーリーも無しに大怪獣が大暴れしっぱなしで唐突にエンドマークといった前衛映画みたいなシロモノが娯楽としての映画の世界にユルされる方がオカシイのだ。また、それこそが多くの怪獣ファンが切望して止まない究極の姿。CGもいらない、ピアノ線がばれてもかまわない、ただただ精巧なミニチュアをコワしつつ、ヌイグルミ着たオッサンがドツきあうだけの“ドラマ不在の怪獣プロレス”に一生に一度はお目にかかりたいものだ。と、切に想う今日この頃。 ▲ セッカク吉崎観音センセイ描き下ろしの「ケロロ軍曹」“幻の”最新刊をオメミエさせたりしてんダカラ。どうせやるなら「快獣ブースカ」ぐらいツキぬけてほしかった・・・。
by oka-cpc
| 2006-05-05 04:09
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