カテゴリ
以前の記事
2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 01月 2014年 01月 2013年 02月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2010年 01月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 お気に入りブログ
メモ帳
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
お互いの“高慢と偏見”の情にジャマされて煩悶とする五人姉妹の次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)を中心に据え映像化。英国文学の入門書とも言われる恋愛小説の古典をたくみに捌き18世紀から現代にも通じる人間関係の妙をたくみに描いている一方で、内容をはしょった所為もあってか少女マンガチックな面が強調された感もある。物語の核となるエリザベスと若い貴族ダーシーが感情と周囲の思惑によってすれ違いを繰り返す有様はノルシュティンの「アオサギと鶴」のソレをホウフツとさせる。女性の遺産相続権が認められず、資産家との結婚が人生最大の目的とされていた社会背景の下、社交の場として催される舞踏会。言葉の響きとはウラハラに男と女がピョンピョン飛び跳ねながら相手と相手を渡り歩く様子はさながら鳥か獣の求愛のダンスのようでもある。そこでフト、思い浮かんだのは「Age of the SHEEP」の世界観をつかむ一助にとおよそ30年ぶりに再読中のH・G・ウエルズの中篇「モロー博士の島」。嵐で船が難破して流れ着いた主人公が目にしたのは、モロー博士の実験によって人間化した獣たち。知能ではヒトにはおよばぬながらも社会を形成し生活する獣人たちから逃れ、文明世界にまいもどったものの、主人公の頭に去来するのは出会う人々の顔の下に隠された獣性。“わたしは周囲をみまわして、ふだん顔を合わせて人間にも不安を感じだす。~どれひとつとして、これがちゃんとした理性を持った、本来の姿の人間なのだと、はっきりいいキレルだけの者はいないのだ。”「タイムマシン」「宇宙戦争」等、今日に通じるSFのアイデアの大半をたったひとりで作り上げたウェルズが込めた人間そのものに対する痛烈な風刺は人造人間SHEEPとのかかわりを通じて人間の姿を描こうとしている「AGE of the SHEEP」のテーマとも決して無縁ではないと思えるのだがイカガだろうか?
by oka-cpc
| 2006-01-19 05:28
|
ファン申請 |
||